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不妊鍼灸｜「体外受精」の妊娠成功確率について

2017年
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前回、自然な形での妊娠「人工授精」の成功率について記事を書きましたが想像以上の反響がありましたので、今回は続編として「体外受精の妊娠率」について記事を書いていこうと思います。

体外受精で妊娠成功確率は 20％〜50％

なぜこのように数値が高く、そして幅が広いかというとそこに大きく関わってくる「年齢」という問題や夫婦間の不妊の状況によって治療方法も変わりますし、クリニックによって判断基準が異なるため正確な数値が見えてこないという現状があります。

「自然な形での妊娠」を希望する方が多い中で「体外受精は悪いもの」かといえば私はそうではないと思います。現代の日本では24人に1人が体外受精でこの世に誕生した赤ちゃんと言われています。お腹の中で育っていく過程で成長の差があるわけではないですし、生まれてくる赤ちゃんは皆可愛いと思います。

しかしながら体外受精に試みるには少し高いハードルがあることも事実です。それは金銭面はもちろんですが、女性側の身体的、精神的な疲労や苦労は多くあります。それでも体外受精を選択したからこそわかることも多くあります。タイミング、人工授精ではうまくいかなかった理由がここでわかる場合もあります。

■体外受精による妊娠成功率

女性の年齢による成功率
・３０代前半…３８％
・３０代後半…３１％
・４０代前半…１６％
・４０代後半…４％

あくまでも女性側の年齢によるデーターとなりますので必ずしもこの数値が絶対ではありません。夫側の精子の状態や年齢なども関係してきます。

■人工授精の成功に関するデーター

女性の年齢による成功率
・２０代…20％少し上回る程度
・３０代…８％〜９％
・４０代…２％

10％から５％の確率とは簡単に考えると10人に1人の割合です。私もきっとこの数値なら入れる気がすると思っていましますが、もう少しわかりやすく身近に感じてもらうために幾つかの例を挙げてみたいと思います。

国家試験合格率比較
・鍼灸国家資格試験の合格率…６７％
（私が受けた時には７７％もありましたがそれでも受かるか不安でした）
・介護福祉士国家資格合格率…５０％
・国家公務員一般…２５％
・宅建…１７％
・行政書士…７％

実際に身近なデーターで比較できると今の現状が少し実感できるかなと思います。それに加えて年齢という刻一刻と過ぎていく時間があります。
この仕事をしていて「時間」をとても意識するようになりましたし、できる限り患者様にはこの現状を伝えようと努力しています。
患者様からよく耳にする言葉があります「もっと早くに採卵しておけばよかった」「もっと早くに病院へ行っておけばよかった」などです。
後悔して欲しくなと思うからこそ伝えていきたいと思っています。

最後に、
日本は世界的に見て「不妊大国」だと言われています。それを裏付ける「国際生殖補助医療監視委員会」が発表したデーターがありましたので引用させていただきました。

■2016年度の顕微授精・体外受精・胚移植の件数を合計した数値

■採卵回数に対する出産率

「国際生殖補助医療監視委員会*」が先頃発表した最新のレポートを引用しています。
* International Committee Monitoring Assisted Reproductive Technologies:ICMART(体外受精、顕微受精が適切に実施されることを目的に世界各国の治療成績をモニタリングしている組織)