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不妊鍼灸|愛情ホルモン「オキシトシン」の効果
「オキシトシン」という言葉を聞いたことがありますか?最近、よくこのワードを耳にする機会が増えました。オキシトシンとは、妊娠・出産との関係が深いホルモンの一種で、最近の研究では精神的にも良い影響を与えることがわかってきています。近年では研究が進み、いい効果が現れると言われ多方面から注目を集めています。
■「オキシトシン」ってなんだろう?
オキシトシンは、脳の視床下部で作られて下垂体から分泌されるホルモンの一種。私たち鍼灸師が勉強していた教科書では授乳と深い関係にあることを学びましたね。赤ちゃんに乳首を吸われると脳内でオキシトシンが放出され、それが母乳の分泌を促すという仕組みです。
授業では「オキシトシンは母親だけに分泌される」と考えでしたが、最近では妊娠をしたことのない女性や男性にも分泌されていて、母乳の分泌以外にも様々な役割があることがわかってきていて「愛情ホルモン」「幸せホルモン」などとして世間では浸透してきています。
■オキシトシンと妊娠・出産・授乳の関係
オキシトシンには筋肉を収縮させる作用があり、これが妊娠・出産の様々な場面で役割を果たすと学んできました。
ます一つ目ですが、分娩を促す役割です。オキシトシンが子宮の筋肉を収縮させて陣痛を引き起こし、赤ちゃんを押し出そうとします。陣痛を促す作用は古くからわかっていたため、陣痛促進剤にもオキシトシンが使われていることがあります。また、出産後にもオキシトシンは大量に分泌されて子宮を小さくし、胎盤が剥がれ落ちてできた傷を塞いでくれます。妊娠・出産とは切っても切れない関係にあるのです。
そしてもう一つが、母乳分泌を促す役割。母乳はプロラクチンと呼ばれる別のホルモンによって生成されますが、作り出された母乳を外に出すためにオキシトシンが母乳の通り道である乳腺の周囲の筋肉を収縮させます。オキシトシンの分泌量が多いほど、母乳の出もよくなるというわけです。
■オキシトシンが「愛情ホルモン」「幸せホルモン」と言われる理由
オキシトシンは「信頼関係を深める」という精神面での重要な効果があることがわかってきました。オキシトシンが分泌されることで、母親は赤ちゃんを愛おしく感じるようになり、母性愛が強まるといわれています。また、愛情が深まるだけではなく、恐怖心や不安などが減少してストレスもなくなり、精神的に安定する効果をもたらすこともわかってきています。
実は、人と人の結びつき、信頼こそが、脳の疲れを癒してくれるということが、検証されはじめてきています。オキシトシンが十分に分泌されていると、脳の疲れを癒し、気分を安定させ、人に対する信頼感が増し、心地よい幸福感をもたらしてくれるのです。
オキシトシンとセロトニンは関係していて、オキシトシンが分泌されるとセロトニン神経に影響を与え、セロトニン神経も活性化されます。オキシトシンとセロトニンが十分に分泌される生活は、心の疲れを癒し、心に充足を与えてくれるのです。
こうした作用から、オキシトシンは「愛情ホルモン」「幸せホルモン」「信頼ホルモン」「絆ホルモン」「癒やしホルモン」などと呼ばれることもあります。
■スキンシップで増えるオキシトシン分泌
オキシトシンは妊娠・出産にかかわって自然と分泌されることがわかっていますが、夫婦がスキンシップをすることでも分泌量が増えます。手をつなぐ、ハグする、マッサージをするなど、肉体的に触れ合うことで分泌量が増加するといわれています。
ちなみに最近の研究では、犬をなでたりするだけでも人間の脳内ではオキシトシンが分泌されることがわかっています。
動物を飼うことは心の癒しもありますが、赤ちゃんが生まれたときにもいい効果があるように感じます。私自身も幼い頃から猫と一緒に住んでいました。写真にはいつもそばに猫がいるものばかり。きっとここで小さな社会を学び、また、幼い頃から自分以外の人に愛情を注ぐことを学んだのかもしれませんね。
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