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不妊鍼灸|多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と妊娠

 

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)という病名を聞いたことはありますか?最近では大和田美帆さんがこの病気を公表しています。彼女の場合は治療を開始しその治療の過程においし妊娠し、現在は無事に出産しています。婦人科系疾患の中でも近年特に患者数が急増しており、人によっては日常生活に支障をきたす場合のある疾患です。多嚢胞性卵巣症候群の原因や症状、治療法、予防法、そして妊娠について。

 

多嚢胞性卵巣症候群とは、卵胞の発育が遅く、ある程度の大きさになっても排卵されにくく、卵巣内にたくさんの卵胞がとどまって溜まってしまう症状です。月経異常や無排卵月経など不妊の原因となる疾患です。毎月起こるはずの排卵が何かしらの原因でうまくおこなわれない状態を総称して排卵障害と呼びますが、多嚢胞性卵巣症候群はその中でも患者数が増加傾向で特に20代~40代に多い疾患です。

PCOS

自覚症状として以下のものが挙げられます。
1.排卵が起こりにくいことによる月経不順、無月経、無排卵月経
2.卵胞に含まれる男性ホルモンの血中濃度が増加することによる多毛、にきび、低音声など
3.肥満
4.黄体ホルモンの分泌異常による月経過多、不正出血
5.排卵障害による不妊

 

多嚢胞性卵巣症候群の原因ははっきりとわかっていない部分がありますが、内分泌異常(ホルモン異常)と糖代謝異常の2つが原因ではないかという説が有力です。

内分泌異常
視床下部からの指示により卵胞が成長を促すホルモンが分泌されますが、この中でLH(黄体化ホルモン)の分泌が増える事で卵胞を育てるためのFSH(卵胞刺激ホルモン)の分泌バランスが乱れてしまい卵胞がうまく成長することが出来なくなってしまい、排卵が起こりにくくなると考えられています。

糖代謝異常
すい臓から分泌されるインスリンの料が増加する事で男性化ホルモンの量が増加し、月経不順などの症状が表れる。

 

多嚢胞性卵胞症候群の根本的な治療法はまだ見つかっていないため、対症療法が効果的と言われています。不妊症の原因である排卵の問題はクロミフェンという排卵誘発剤を使い排卵を促す治療や、hMG-hCG療法という注射、外科的手術で卵巣の表面に小さな穴をあけて排卵を促す方法などがあります。ただどの程度、妊娠の妨げになっているのかはひとそれぞれです。自力での排卵があれば自然妊娠の可能性は十分にあります。
原因がはっきりしている病の中で最も妊娠に至る可能性が十分にあると言われるほどです。

 

鍼灸を取り入れた治療の方法


鍼灸治療では多嚢胞性卵巣症候群の治療を「卵巣の膜に循環障害があり、瘀血(血液の滞り)と痰湿(汚れた物質)が溜まり排卵出来ないと診ます。
具体的に4つのアプローチをしていきます。

1.活血→血液の流れをよくする
2.痰湿除去→老廃物を取り除く
3.琉肝→排卵を促す
4.補腎→卵子の発育と排卵させる力をつける

東洋医学では肝臓は血を司ると言われています。身体に溜まった老廃物の排泄や余分な身体の水分(浮腫み)などを上手に排出し質のいい血液を全身にいきわたらせる事で質のいい卵胞の発育と居心地の良い子宮環境がつくられます。

 

最後に、多嚢胞性卵胞症候群は早期発見が大切です。
多嚢胞性卵巣症候群によ排卵障害が起きていても治療によって排卵をコントロールすることもできます。放置することが症状を悪化させ、妊娠を希望した時に長期的な治療が必要となってしまう事もありますので定期的な診察はとても大切です。

 

高崎鍼灸サロンLeClaire(ルクレア)
院長 矢嶋エミ

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